陰陽五行説とは?
陰陽五行説について
陰陽五行説とは、“陰陽説”と“五行説”という2つの考え方を組み合わせたものです。どちらも中国で生まれた考え方ですが、日本での歴史も古く、現在では陰陽五行説は占いにおいて使われることが多く、東洋占星術の中でも昨今特に有名な四柱推命はこの陰陽五行説をもとに日本で生まれた占いなのです。 今回は、四柱推命の基礎ともなった陰陽五行説について説明していきます。
陰陽説と五行説それぞれの歴史について
陰陽五行説は陰陽説と五行説の2つから成り立っています。どちらも時代は違えど同じ中国で生まれた考え方です。 陰陽説が生まれたのは紀元前3000年頃。五行説が生まれたのはそれから1000年後の紀元前2000年頃のことです。当初はそれぞれが別のものとして扱われていましたが、これを紀元前300年頃に当時の中国の国の名前“斉”の思想学者であった鄒衍が融合させたのが陰陽五行説の始まりだといわれています。 また、この後、陰陽五行説は仏教や儒教といった宗教の思想としても大きな影響をもたらし、各宗教にとってもなくてはならない存在となっていたのです。 今でこそ、日本では星座を扱った占いが基本となる西洋占星術が広く知られていますが、飛鳥時代に陰陽五行説が日本に入ってきて以降は陰陽五行説が一番メジャーな占いの方法として用いられていました。 占いといえば陰陽五行説という考え方は明治時代に西洋占星術が日本に入ってくるまでは当たり前の考えであったといわれています。つまり、陰陽五行説は日本でとても古くから親しまれてきたものなのです。
陰陽説
陰陽説とは、万物は“陰”と“陽”という相反するものから成り立っており、それぞれが栄えたり、衰退したり、現れたり消えたりして成り立っているという考えがもとになっています。 太陽と月、男性と女性や表と裏、昼と夜、暗闇と光……そんな風に、正反対の特徴を持ったもの同士が存在することによってこの宇宙は成り立っていると考えられてきました。 どちらも決して欠かすことのできない存在であり、お互いがあるからこそお互いが成り立てるという思想が陰陽説の特徴です。どちらかが存在しなければ、もう片方も存在することはできない、どちらが勝っているとか、どちらが良い・悪いという考え方は一切ありません。 陰の特徴は、重たく固まる力から成り立っており、冷たいという性質があると言われています。反対に、陽は軽く動きの多い力から成り立ち、温かいという性質を持っているそうです。 目に見えるものだけではなく、人の心の中にも陰と陽が存在しており、陰はどちらかといえば心……感情を司り、陽は頭……つまり考えなどを司っているといわれています。
五行説
五行説とは、いわば陰と陽をさらに細かく5つに分類したものという解釈をすると良いでしょう。この宇宙に存在しているものは、すべて“木火土金水”から成り立っているという考えが、五行説の根本です。 それぞれが隣に並び合い、向かい合い、影響しあうもので、お互いがお互いを支えたり、時には反発したりしながら存在しているという考えを持っています。“相性”という言葉がありますが、この言葉は五行説から生まれたものだと言われています。 相性の良し悪しで、関係が変わり、まるでじゃんけんのようにお互いに影響しあい、勝ったり負けたりを繰り返しながら、最終的にはどれもが同じ力関係にあるということを表すようになっています。
陰陽五行説で占えること
陰陽五行説を占いに用いた場合、一体何を知ることができるのでしょうか?占いには種類があり、「未来がこうなる」と示されるものや、アドバイスをくれるものなどがありますが、陰陽五行説の場合は、その人の運命を知ることができると言われています。 ここでは、陰陽五行説を占いに用いる場合に必要な情報やどんな内容を占うことができるのかについて紹介します。
陰陽五行説で占う際に必要な情報は?
陰陽五行説で占いを行う場合に必要なものは至ってシンプルです。必要な情報は、占ってもらう人の生年月日。これだけになります。 生年月日を使って五行を調べるところから始まるのですが、陰陽五行に使う日数表があり、これで自分の生年月日を確認し、自分が五行のどれに当てはまるのかを調べます。 より詳しい情報があれば、それだけ詳しい占い結果を得ることができますが、陰陽五行易という占いの種類であれば出生場所や出生時間などできるだけその人の生まれに関する詳しい情報があると良いとされています。 また、四柱推命をもっと分かりやすく簡単に診断できるようにした陰陽五行診断というものもありますが、これは生年月日の他に約50個程度の質問が用意されており、これに答えていく形で運勢を診断してもらうことができます。
陰陽五行説を使った占いは何を知ることができるのか
陰陽五行説では、占ってもらう人に関する詳しい情報が分かります。その人の性格や考え方、そしてその性格が影響して生まれるメリットやデメリットについてを知ることができます。 その人の細かな性格が分かれば、他の人との相性やどのような仕事に向いているのか、どんな人付き合いができるのかなど、より踏み込んだ質問に対する自身の性格をもとにした情報も得ることができます。 その結果、うまくいかない人間関係を改善する方法や、もっと仕事に楽しんで取り組めるようにする方法、ずっと一緒にいたいと思っている人との付き合い方などを知ることができるのです。
陰陽五行説を使った占いかた
陰陽五行説を用いた占いでは、まずその人の生年月日を確認し、そこから五行のうちのどれに当てはまるのかを診断していきます。それによって、その人の性格や性質、考え方などが分かるようになっているのです。 五行のそれぞれの関係には、“相生”と“相剋”と“比和”という3種類の関係があります。 “相生”は、“相性”という言葉のもとにもなった関係で、お互いがお互いを支え合い、助け合う関係のことをいいます。普段から自分を助けてくれる人、いつもそばにいて何となく気が合うなと感じている人は、この相生の関係にあることが多いようです。 そして、“相剋”はその反対で、水と油のようにどうしても相容れることのない、マイナスの関係のことを示しています。決して敵対したいわけではないのに、どうしても歩み寄ることができない相手、会話をするとなぜかいつも口論になってしまう相手がいるなら、これは相剋の関係かもしれません。 そして“比和”というのは、お互いが助け合うわけでもなければ、ぶつかるわけでもない、似たような関係のことを指しています。 生年月日から引っ張り出したこの五行をもとにした人間関係を知りつつ、占ってもらっている人が望む未来へ進むことができるアドバイスをくれるのです。
陰陽五行説で占ってもらうときに占い師に伝えると良いこと
陰陽五行説は、万能な占いではありません。言ってしまえば、“人生に答えをもたらしてくれる占い”ではないのです。そのため、陰陽五行説で占ってもらったからといって、必ずしもこの先の未来がずっと順風満帆であるかといえば、そうとは言い切れないのです。 陰陽五行説が教えてくれるのは、“この先の未来を自身で切り拓いていくために必要なアドバイス”です。人は自分の性格をきちんと理解できているなんていうことはほとんどありません。陰陽五行説を利用し、自身の性格を細かく知った上で、どのように人生を歩んでいけば、自分が無理をすることなく常に笑顔で生活できるのか、それを教えてくれるのです。
人の気持ちや未来の自分を知ることはできません
陰陽五行説では、占ってもらう人のパーソナルな面を知ることができますが、自分以外の好きな人や気になる人、もっと仲良くなりたい人が自分に対してどのような感情を抱いているのかといった他人の感情に関する情報を得ることはできません。また、何年後に転職すれば仕事がうまくいくのかとか、この先何年後に結婚できるかなんていう未来を知る情報も得ることはできないのです。 望む未来に向かうためにこうしたらいいというアドバイスがもらえるだけですし、もし相性を知るとしても相手の五行を知り、自分の五行と比較して相生の位置にあるのか、または相剋や比和の位置にあるのかを知ることができる程度です。 上手な人との付き合い方を知ることはできても、未来を占うことは、陰陽五行説ではできません。
五行のバランスを見てアドバイスをもらう
陰陽五行説では、占ってもらう人の五行を生年月日を使って調べるのですが、決して一つの行の要素しか持っていないわけではありません。例えば円グラフを想像してください。誰でも、火が何%、土が何%……というように、すべての行の要素を持っているのです。 そしてその中で、どの行が一番多大な影響を与えているのかによって、個人の性格に差が出てきます。一つの行に絞り込んで決めつけないからこそ、十人十色の性格を知ることができるわけですね。 経験豊富な占い師であれば、五行のバランスを見てその人の性格が安定しているのか、それともちょっと変わっているのかなんてこともすぐ分かってしまいます。
陰陽五行説は電話占いでも占ってもらえる?
陰陽五行説に必要なのは、基本的には生年月日のみ。ということで、陰陽五行説を用いた占いを電話占いで行ってもらうことはもちろん可能です。 より細かく性格を知り、適切なアドバイスを行うことができるよう、電話占いでも陰陽五行説に長けた占い師が、生年月日よりさらに詳しい情報を聞き出そうとしてくることがあります。聞かれた質問に丁寧に答えて、ありのままの自分として占い師と向き合えば、自分が抱えている悩みに対しての解決策や、自身の性格や性質をもとにした円滑な人間関係を築くための方法を教えてくれるでしょう。 電話占いだからといって、対面で行ってもらう陰陽五行説占いがデメリットを持っているということはありません。むしろ、自分の知りたいことをじっくり相談することができる電話占いは、陰陽五行説で占いをしてもらうのにぴったりといって良いでしょう。
まとめ
陰陽五行説は、複雑なようでいて、実はとても単純なところもあります。調べ方をマスターするのはなかなか難しいですが、陰と陽、そして水・火・金・木・土と分類されるタイプによってこれまで知ることのできなかった自分の新しい一面に気づくことができるようになります。 複雑に枝分かれしているように感じられますが、その根本にあるものは決して難しくはないのです。ただ、占い方そのものが占い未経験者からすれば難しいと感じられることもあるですから、陰陽五行説で占いをしてもらう際には、占い師を頼ってみるのが一番良い方法でしょう。 ぜひ、陰陽五行説を利用して思うがままの未来へ一歩を踏み出してくださいね。