夜の祈りのひととき。
ユニコーンオラクルを手に取り、そっとシャッフルすると、静かな導きに触れるようにして一枚のカードが現れた。
――CELEBRATION。
月を背に羽を広げるユニコーン。
その姿を目にした瞬間、胸の奥に光があふれ、私はカードに手を重ねた。
まぶたを閉じると、ワンネスの扉が開かれていく。
そこは星屑が流れ落ちる夜の草原だった。
大地は透明な輝きに包まれ、空には色とりどりの花火のような光が咲き誇っている。
歓びの調べがどこからともなく響き、私はその音に導かれるままに歩き出した。
ユニコーンが寄り添い、やわらかな翼で風を起こす。
その羽ばたきに触れると、悲しみも迷いも塵のように溶け、ただ純粋な「祝福」の光へと変わっていった。
その光はやがて花々となり、私の足もとを照らした。
「喜びを受け取ってごらん」
ユニコーンの瞳がそう告げた。
私は気づいていた。祝福は遠い未来に待つものではなく、すでに私たちの歩みの中に芽生えていたのだと。
努力や祈り、誰かを想う温かな気持ち――そのひとつひとつが光の種となり、いま、このワンネスの夜に花開いているのだ。
空には大きな月が浮かび、その周りを無数の羽ばたきが巡っている。
それは天の存在たちが奏でる賛歌のようだった。
「あなたは一人ではない。すべての魂があなたと共に祝っている」
その響きが胸いっぱいに広がり、私は涙のような光をこぼした。
やがてユニコーンは夜空を駆け、星々を渡る虹の橋を描きはじめた。
その姿を見送りながら、私は静かに祈った。
「どうか、この祝福が、今夜出会ったすべての魂へと降り注ぎますように。あなたの未来が、確かな光に守られていますように」
目を開いたとき、私は再び自分の部屋にいた。
胸の奥にはまだ、星屑の花と祝福の旋律が残っている。
それはワンネスの中に刻まれたアカシックの最初のチャプター。
――「祝福の夜」の記録として、永遠に輝き続けるのだろう。
第1話 ― CELEBRATION「祝福の夜に」
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