十干とは?
十干について
東洋占星術においては当たり前のように使われるものでも、“十干”と聞くとあまり聞き慣れないように感じられる人も多いかもしれません。 十干は、“甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸”という10種類から成り立っています。これらの漢字に見覚えはありませんか?特に、“甲乙丙”あたりは、正式な契約書などに記載されている自分や相手などを示す漢字として使われていますよね。 これらの漢字が契約書に使われるようになったのも、この十干が由来となっているのです。 では、その十干で一体何が分かるのか、占いにどのように利用するのかを説明していきます。
十干って何?
十干は、宇宙はすべて“陰・陽”と“水・火・木・金・土”から成り立つと考えられている陰陽五行説と深いつながりを持っています。五行説は、“水・火・木・金・土”ですが、これに陰陽説をプラスし、“甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸”から成り立つとしています。 いわば、五行説に陰陽説を掛け合わせ、五行をそれぞれ陰と陽に分けたものであり、五行説を本来のものからさらに細かく分けたものが十干ということになります。 日本で生まれたメジャーな占いの一つ、四柱推命のそもそもの基盤ともなっているのが、この十干であり、東洋占星術において、十干は欠かすことのできない存在となっています。
十干はいつ生まれた?
十干が生まれたのは、中国。正式には、いつ頃十干が生まれたのかというのは定かになっていませんが、五行説や陰陽説とほとんど同じくらい歴史があるとされています。 古代の中国においては、数の数え方というのはある程度限られていて、今のように大きな数字、途方もない数を数えるようなことはできませんでした。そんな時代に、人々は何で数を数えていたと思いますか?……それは、“指”です。 右手の親指から小指、左手の親指から小指という風に1から10までを数えていたのです。当時はまだ、30という大きな数字を数えることができませんでしたが、当時の中国の人たちは、1日1日を数えるのに、10本の指を使っていました。両手を使って10数え終わったらまた1から……という風にして、3回それを繰り返したら1ヶ月になるという風に解釈していたのです。 つまり、十干の名前の由来は、“両手の指”なのですね。
十干とはどのような考え方を持っているのか?
最初に少し紹介した通り、十干は陰陽説と五行説を半分ずつ受け継いで生まれたようなものです。陰陽説は、宇宙に存在している目に見えるものから目には見えないものまですべてが、陰と陽からできているという考えで、五行説は、宇宙に存在しているものはすべて“水・木・火・金・土”から成り立っているものという考えを持っています。 十干は、この五行説に存在している“水・木・火・金・土”にもそれぞれ陰と陽があるとしたものです。五行説に陰陽説をプラスし、その際に“陽=兄”で“陰=弟”とし、“甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)”としたのです。 漢字だけで見ると、読み方がさっぱり分からなくても、このようにして読み仮名を振ると、由来が陰陽五行説であることがおわかりいただけるでしょう。読み方で五行のどれに当てはまるかを知り、最後の読み方で陰か陽かを知ることができるようになっているのです。 万物は陰と陽で分けられた、5つの物質から成り立っている……というのが、十干の基本的な考え方です。
十干で何が分かるの?
十干とは何であるかが分かっても、ではこの十干を占いに用いることによって一体何が分かるのかというところが気になる人も多いことでしょう。 十干は、占星術に用いられます。基本的には未来に何が起こるかを的中させるものではなく、自分自身の性格や特徴、性質や考え方を知ることによって、自分自身をより自らが望む方向・未来へと導いていくために利用します。 人間関係や仕事の向き不向きなどを知るのにも適していますが、占いをする際には、十干だけでなく、もう一つ私達もよく知っているあるものをプラスして占うことが多いのです。
十二支との関係について
十干とセットにして占いに用いられるのが“十二支”です。特に、東洋占星術に詳しくない人であれば、普段の生活の中で、十二支のことを“干支”と呼ぶ機会が多いかもしれません。 動物の名前をあてがい、12種類から成り立つ十二支ですが、この十二支、正式には干支とは言わないのをご存じだったでしょうか? “干支=十二支”という解釈をしている人がとても多いのですが、干支というのは、“十干プラス十二支”のことを指します。“干支”という言葉だけで、十二支を表すわけではないのです。 そして、この十二支にも、陰と陽が割り当てられています。四柱推命において、この十干と十二支を用いて占いを行うことが、原点となっているのです。
その人の性格や性質を見抜くことができる
十干を占いで利用する際には、その多くの場合、十二支とセットで占うことがほとんどです。十二支にも陰と陽があり、十干と合わせてその人の干支を見ることで、占ってもらう本人の性格や性質、考え方を知ることができます。 怒りっぽいのか穏やかなのか、疑い深いのか騙されやすいのかといった根本的な性格から、我慢強いとか、寂しがり屋だなどといったその人の持つ性格を見ることができるのです。 性格を知ることで、人との上手な付き合い、苦手だと思っていることとの上手な距離の置き方、自分に向いている仕事についてアドバイスをもらうことができるのです。
十干と十二支を一緒にすることのメリット
十干と十二支は切っても切れない関係なのだということをおわかりいただけたと思います。十干が生まれる前よりあったとされる陰陽説や五行説に関しては、陰と陽の2つしかないとか、五行説では5つしかないといった具合に、そこまで細かく分類されているわけではありません。 しかし、十干は10種類から成り立つとされており、、十二支はその言葉通り12種類に分かれています。枝分かれしている情報が多い分、それだけ個人について詳しく占いをすることができるといって良いでしょう。とても細かい、自身でも気づくことのできなかった性格が分かることもあるかもしれませんよ。
十干で占ってもらうときに占い師に伝えると良いこと
まず、知っておいて欲しいのは、“十干占い”というものは存在しないこと。十干を使って占いを行うのは、四柱推命といいます。十二支を加える場合でも、それは変わりません。 また、十干を用いることで、五行説を利用するより遙かに詳しい情報や、人との相性についてもさらに一歩踏み込んだところまで教えてもらうことができるようになっています。
十干だけでも性格は分かる?
十干占いでは、生年月日が必要になります、西暦で何年何月何日生まれなのかが分かれば、まずは10種類のうちの自分がどれに当てはまるのかを知ることができます。 計算はとても複雑なので、方法をきちんと見ながら丁寧に自分で割り出すこともできますが、プロの占い師に相談してしまったほうが、正確な計算で十干を割り出し、教えてもらうことができます。 もちろん、自分の十干はどれなのかを知ることだけでも、性格が分かります。ただ、もし占い師に占ってもらうのであれば、十干だけではなく十二支も取り込んで自分の性格をとことん調べてもらったほうがいいでしょう。
十干占いに極端な答えを求めてはダメ
十干占いで分かるのは、自分の性格です。十二支などを踏まえて計算してもらうことによって、自分の十干を知ることができますが、そこで分かった性格や自身の性質、得意なものと不得意な事柄に関しては、今抱えている悩みを解決する武器にはならないのです。 もし今何かに苦しんでいたり、悩んでいたりするのであれば、十干占いをしてもらうことによって自身の性格を知りながら、その解決策を考えていくことになります。物事をうまくすすめていくためには?苦手な人との付き合い方は?大切な恋人との関係を良好な状態に保つ方法は?毎日仕事を楽しくこなすには、自分にはどのような職業が適している? 自分の性格を知ることができれば、自ずと自分が知りたかったこの先の自分の運勢についても見えてきます。幸せに日々を送るためのヒントを与えてくれるのが十干ですから、あとは自分で答えを導き出さなくてはなりません。
十干占いは電話占いでも占える?
十干占いは生年月日を聞き出し、独自の計算法によって占う人の十干を割り出し、性格を把握していくものです。生年月日という情報さえ分かれば良いので、電話占いでも、もちろん占ってもらうことができます。 ただ、せっかく電話占いをお願いするのであれば、十干だけを知るのではなく、自分が普段不安に思っていることや、この先の未来を幸せにしたいと思う気持ち、悩んでいることなどを占い師に打ち明けてみてください。 四柱推命に長けた占い師なら十干だけでなく十二支も見て、総合的にアドバイスをしてくれることでしょう。自分の占い結果に対して、自分で未来を切り拓くヒントとして活用できる人は、そう多くありません。初めて知る自分の性格と向き合ったときに、即座には納得できないこともあるでしょう。 占い師に相談すれば、新しい自分を見つけても、それを受け入れつつ、悩みに対して自分の性格をどう活用していけばいいのかまで、丁寧に教えてもらうことができますよ。
まとめ
いかがでしたか?十干は、古くから身近な存在として親しまれ、そして現代でも占いの基礎として大切にされているものです。 自分の十干が何か、そして自分の隠された性格を知ることによって、これまでは避けてきた物事に挑戦する勇気を得たり、これまで失敗を繰り返していた物事を突破する方法が見つかったりするかもしれません。 ぜひ、十干を知り、自分を知り、悩みや困難を乗り越え、毎日を幸せに過ごしていってくださいね。