90歳に近い知人が「12月24日に突然カトリックの教会に行きたくなったの」と相談するともなくおっしゃいました。
彼女は地元の名家の奥様であり、今年ご主人を看取られたばかり。まだタクシーを使うなりすれば行きたいところにも行ける状態ですし、その教会はそう遠くない場所にあるので奥様の希望を叶えるのはそれほど難しいことではないように思いました。
奥様は中高とカトリックの女子校に通われて、高校を卒業するときに洗礼を受けたいと両親にお願いされたそうです。ご両親はとんでもないことと有無を言わせず地元の名家に嫁がせて、それから70年教会には足を踏み入れていないと寂しくつぶやかれました。
奥様は私が占い師をしていることは、ご存じありません。
「12月24日でしょう、神様が呼ばれたのですよ」
「そうかしら。ミサに行きたいとか洗礼を受けたいとかはもう思わないの。ただ教会に行ってどういう気持ちになるか、確かめたいのかもしれないわ」
「今まで十分、家にもご主人にも尽くされたのだから、もう自由になってもいいのではないですか」
ずいぶんと迷っておられるようでした。10代の多感な時期に封印された気持ちの蓋を開けるのが怖いのかもしれません。亡くなったご両親に背く気がするのかもしれません。
私はどういう気持ちになろうとも、一度教会に行かれるといいなと思いましたがそれからどうなさったか、これからどうなさるのかはわかりません。
奥様のお年を考えると、すぐに行かれてもいいように思いますが、年末年始と気忙しい中では自分の気持ちを後回しになさっているかもしれません。
皆さま、やり残したこと、心残りのことはありませんか。
思い残すことなく過ごしたい
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