今から1２．３年前のことです。仕事のことで悩んでいました。
社運を賭けたプロジェクトがあるのに、うまくいくような気がしないのです。はっきり言えばコケそうな気がしました。そのプロジェクトを進めなくてはいけない理由は理解しているし、そのプロジェクトを成功させるためにみんな努力していました。 それなのに、です。「うまくいかない気がします」とは言えませんでした。私の勘は当たるんです、とも占いで時期が悪いと出たから、とも言えませんでした。もしかすると私の勘が外れてうまくいくかもしれません。

そんな時、何気なくつけたテレビのトーク番組で俳優さんが話しておられました。
「なんだ、この脚本はと思うこともありますよ。こんなの誰が演じても当たりっこない。それでもね、全力で演じるしかないんです。こいつならなんとかしてくれる、とみんなは信じてくれている。それならやるしかないでしょう」「それでなんとかなるんですか」「いや、なんとかならないことの方が多いかな」
バラエティのトーク番組でした。すぐ違う話題に移りました。私は画面を見ていましたが、もう話を聞いてはいませんでした。

そうなのです。やるしかないのです。全力で頑張ってもうまくいく気がしないのに、手を抜いたり気を抜いてうまくいくわけがありません。
あの時、全国で多くの人が同じ番組を見ていたでしょう。その俳優のファンもおられたでしょう。ですが、10年以上もあの一言が心に残っている視聴者はいないと思います。

そこで表題の、『ニュートンとりんご』です。ニュートンはりんごが落ちるのを見て万有引力を発見しました。有名ですね。では、りんごが落ちるのを見れば万有引力を発見できるのかというと、そんなことはないでしょう。ニュートンの頭の中には万有引力についての知識や実験の結果などが詰まっていたはずです。その時ニュートンの前にりんごが落ちたのです。偶然かもしれません。それでももしかしたら、ウンウンうなっているニュートンに神様がヒントとなるりんごを落としてくれたとは考えられませんか。

それから私は全力でそのプロジェクトに取り組みました。「こいつならなんとかしてくれる、とみんなは信じてくれている」という言葉で自分を鼓舞しました。結果として大成功、とまではいきませんでしたが、何とかやりきることができました。

あの時リモコンを握ってボタンをポチっとした、その時トーク番組のチャンネルに合っていた、それは偶然でしょう。でももしかすると、逃げ出したい、うまくいきっこないと悩んでいた私に神様が応援の言葉をかけてくださったのではないかと思うのです。

ニュートンの大発見と私の悩みを一緒にするのはおこがましいのですが、私の神様は私に見合ったヒントをくださいました。神様はただ助けてくださるわけではありません。必要な人に必要なヒントをくださいます。行動するのは本人です。

あなたに必要なヒントをお伝え出来ますように。